再読_『ゴリオ爺さん』
『四畳半神話大系』に続き、バルザックの『ゴリオ爺さん』を読み直しました。
500ページ超の作品なので読むのに5日かかりました。
有能だけどパリの貴族社会の豪華な面と、金や名誉を巡ってさまざまなことが起こる裏の面を目の当たりにしながら、それでも貴族社会の中に入り込んでゆこうとするウージェーヌの描写がいいです。
狂気とも言えそうなほど、2人の娘を愛し、最後には裏切られ、娘たちを恨みながら死んでいくゴリオ爺さんや、ウージェーヌと同じヴォケー館の住人でウージェーヌに興味を持ち、心を惑わし続けたヴォートランなど多くの人物が登場する群像劇の中で、それぞれの人物の個性が細かく描かれていて面白いです。
『谷間の百合』も読んでみたいなあ。