読んだ本_『福翁自伝』
福沢諭吉の『福翁自伝』を読みました。
『福翁自伝』とは名前の通り、福沢諭吉の生涯を記した自伝です。
福沢諭吉というと、慶應義塾の創設者であり、財布の中にたくさん入っているとうれしい人ですね。福沢諭吉の作品は、小学校だか中学校だかで『学問のすゝめ』の冒頭部分は誰でも読んだことがあるのではないでしょうか。私は去年、斉藤孝さんの訳した『学問のすすめ 現代語訳』を読みました。(いつかは本来の文語体の方を読みたいです……)
この本は、福沢諭吉が大阪で生まれてから、緒方洪庵の塾での青年期の生活、渡米、渡欧、慶應義塾を設立などを経て、晩年までの生涯が綴ってあります。
一つ一つの話は、数ページにまとまっているので読みやすいです。
全体は約400ページほどで、4日間で読みました。
『学問のすゝめ』にも言えることですが、福沢諭吉の考えというのは、現代の社会でも通用するようなことがとても多いことには驚かされます。
例えば、彼は門閥制度を痛烈に批判しています。これは現代の社会における、女性やセクシャルマイノリティの平等を求める動きに当てはまります。
また、彼は鎖国や尊王攘夷の思想が当時の社会にはびこる中で、日本を海外に開国することの重要性を考え、オランダ語、英語をし、海外に渡ったり、自分の子供を海外に留学させたりもしています。これは、現代の社会がグローバル化を重要視していることと同じだと思います。
彼の本はよく、ビジネス書としても取り上げられることありますが、確かに納得できます。
福沢諭吉という経済学部が有名な慶應義塾大学の創ということになるので、さぞ経済や商売には熱心な人物なのだと思っていましたが、この本の中で自分自身が商売をすることには興味がないことや、金を借りたことは人生で一度もないなどと書いてあったのは意外でした。
福沢諭吉の自伝というと、政治や経済のことばかり書いてあるのだろうかとも思いますが、幼少期のいたづらの話や、緒方洪庵の熟成だった時に酒をやめようとして煙草に手を出した結果、両方ともやめられなくなった話など面白い話もたくさん書かれています。
この本に書かれていることは、現代の社会でも通用するようなことがたくさん書かれているので、学生から大人まで誰が読んでもためになる本だと思います。
私は今回、はじめて岩波文庫の本を購入しました。
岩波文庫というと古典作品ばかりで、どれも読むのにとても苦労する作品ばかりなのだと思っていましたが、今回購入した『福翁自伝』は新訂版であり、もともと文語体で書かれていた文章を読みやすいように直してあるので、かなり読みやすいです。