或る部屋の本棚

読書、鉄道、旅などのことを自由に書いてます。

北海道旅行_2日目

・苫小牧港へ 

 北海道旅行2日目、朝起きると10時でした。フェリーは11時に苫小牧港に到着予定です。とりあえず昨日、仙台のスーパーで安く手に入れたパンと仙台港で買った缶コーヒーで朝食を済ませました。展望通路から外の景色を見ていると陸が見えて、もうかなり近づいていました。昨夜、充電したものの、スマホのバッテリーがまだ60%程度しか残っていなかったので、到着するまでの30分の間もう少し船内のソファに座りながら充電することにしました。

・苫小牧港

 11時、予定通りにフェリーは苫小牧港に到着しました。いよいよ北海道上陸!関東と比べると、昨日の仙台は涼しく感じたけれど、北海道はやはりさらに涼しく感じる。 

 苫小牧は特に観光をする予定はなかったので、とりあえず札幌まで移動することにしました。苫小牧港から札幌まで移動する方法は2パターンあるようです。1つ目は、苫小牧港から札幌まで直通する高速バスを使う方法、2つ目は、苫小牧港から苫小牧駅までは路線バスを使い、苫小牧駅からJRに乗って移動する方法。高速バスの方が金額的には安かったけれどJR北海道の電車に乗ってみたかったので、苫小牧駅に向かい電車で移動することにしました。ここで、バス代をケチるために苫小牧港から苫小牧駅まで歩くという考えが、頭をよぎりましたが、ネットで所要時間を検索するとバスで15分と出てきました。一瞬、本当に実行しよかと思ったけれど、昨日、仙台港までバスで10分の距離を歩いた結果、けっこう疲れたのを実感していたので、バスで15分は歩くのは危険だと思いバスを使うことにしました。

徒歩での移動は、たしかに交通費を0にできるので費用を削るという面では有効ですが、時間と疲労という2つのデメリットがあります。旅行というのは割と限られた時間で行うものなので、バスや電車を使って、時間を金で買うということも大切なことだと思いました。

苫小牧駅へ 

 11時半に時刻通りに苫小牧駅行のバスが来て、これに乗りました。バスに乗っていると、「日本一周」と書かれたプレートを付けた自転車を見ました。北海道はバイクや自転車の聖地と呼ばれているところでもあるので、こういうことをする人も多いのでしょうか。自分も自転車は好きだけれど、さすがに日本一周はできないかなあ……。

15分ほどバスにど乗っていると、苫小牧駅に到着。札幌までの切符を買って、さっそくホームに降りることに。関東に住んでいると、電車は新幹線や特急を除いてSuicaを使って乗車することがほとんどなので、電車に乗る際に、切符を買うという行為がすごく久しぶりな感じがしました。普通 小樽行に乗って札幌に向かうことにしました。電車が到着するまでにまだだいぶ時間がありました。しばらく列車を観察することに、キハ141、日高本線のキハ40 350番台、DF200の貨物列車など北海道でしか見れない車両がぞくぞくとやってきて北海道に来たなあという感じがしました。しばらくすると、小樽行の電車が到着したので、これに乗車。最初はこの列車で札幌まで行く予定でしたが、途中、北広島駅で快速 エアポートがあることに気づいたのでそちらに乗り換えました。

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・札幌駅到着 

  13:30頃札幌駅に無事到着。駅といい街といい、北海道一の都市だけあって、すごく大きい感じがしました。札幌駅には時計があるのですが、青の背景に、時刻が星で表現された文字盤でとてもカッコイイ。帰ってきてから知ったのですが、これをスケールダウンした置き時計が、JR札幌駅のタワーの展望室で販売しているらしいです。こんど、行くことがあったら欲しい!(売り切れのこともけっこうあるようですが)昼を過ぎていたので、とりあえず昼飯を松屋で済ませ、これからどうしようかと考えました。札幌に着たものの、何をしようかまだ何も考えていなかったのです。

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http://www.flickr.com/photos/42102924@N02/5470158073

photo by Arjan Richter 

・クラーク像を見物しに、羊ケ丘展望台へ 

 スマホで札幌の観光地をいろいろ調べた結果、ド定番のクラーク像を見に行くことにしました。札幌にはクラーク像が2つあります。一つ目は羊ケ丘展望台にあるクラーク像で、もう一方は北海道大学の構内にある胸像です。よく、クラーク像としてイメージされる、指をさして立っている銅像は羊ケ丘展望台のクラーク像です。自分が行ったのは、羊ケ丘展望台の方のクラーク像です。クラークというのは、札幌農学校(北海道大学の前身)の初代教頭をしていた人物です。羊ケ丘展望台へは札幌市営地下鉄東豊線に乗り終点の福住駅へ行き、そこからバスに乗り換えて向かいます。さっそく、さっぽろ駅(地下鉄は「札幌駅」ではなく「さっぽろ駅」)から地下鉄に乗ります。札幌市営地下鉄は通常の電車とは違い、金属の車輪ではなくゴムタイヤがついていて、左右のタイヤの間に設置された1本の金属のレールに沿って電車が走るという日本では珍しい形式です。乗り心地は、同じくゴムタイヤを履いている「ゆりかもめ」などの新交通方式の車両と同じような感覚です。ゴムタイヤを履いているため、電車が走り出すときにゴムのギューーーという音がして面白いです。15分ほど乗車すると福住駅に到着。駅から外に出ると、少し先に銀色の大きなドームが見えます。札幌ドームでした。銀色のドームって中々見ない気がします。羊ケ丘展望台行のバスに乗るためにバスターミナルへ。ここのバスターミナルは室内にあります。ターミナルの中にはドアがいくつも設置されていて、バスの到着時刻になり、バスがドアの前に停車すると、乗客が乗車するためにドアが開きます。おそらく、冬の寒い時期に乗客を外で待たせないための工夫ですね。北海道ならではの構造だと思いました。10分ほど待つとバスが来たので、これに乗車しました。住宅地の中の坂をバスはどんどん登っていき10分ほどで、羊ケ丘展望台に到着。バスを降りたときには4時半ごろで、羊ケ丘展望台はかなり肌寒く感じました。バス停からすぐのところに、テレビやガイドブックでよく見る、あのクラーク像がありました。クラーク像の後ろは、草原がかなり遠くまで広がっていて、草原をバックにクラーク像の写真を撮るとなかなかイイ感じです。とりあえず、写真を撮った後は、クラーク像の周辺にある足湯、オーストリア館(土産物の購入や軽食をとったりできる)などを見て回りました。

 クラーク像の後ろには、前述のとおり広大な草原が広がっているのですが、実はこの草原には立ち入ることができません。この草原は北海道農業研究センター(農業の研究をおこなう施設)なのだそうです。クラーク像の後ろに行くとヒツジがいました。どうやら、ヒツジを使って牧草の試験をしているらしいです。クラーク像からもっと遠くの方には、畑などもあり、様々な研究を行っているらしいです。5時ごろになると、段々と日が暮れてきて夕焼けが美しいです。クラーク像が逆光になるようにして、写真をとると結構いい感じの写真が採れました。あまりゆっくりしていると、駅までのバスがなくなりそうだったので、そろそろ札幌に戻りこの日の行動は終了にしました。この日は、初めてユースホステルに泊まりました。

 夕飯を食べに行くときに札幌の街を歩いていて気づきましたが、札幌の街って碁盤の目のような構造をしているんですね。交差点も「東~、南~」など方角を使った名前になっているところがあって、使いこなせれば地図がなくても移動できるような気がしました。京都もこのような構造になっていますが、京都以上にきちっとした構造になっているように感じました。

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北海道旅行_1日目

  先日、4泊5日で北海道に旅行に行ってきました。観光したのは主に札幌と美瑛です。飛行機を使って普通に行くのではつまらないので、行きは仙台からフェリーを使うことにしました。

・東京から仙台へ

 朝、新宿駅から高速バスに乗って仙台へ。WILLER EXPRESSの高速バスに乗りましたが、このバスがスゴかった。予約した時に4列シートと書いてあったので普通の高速バスだと思っていました。しかし、いざ乗ってみると夜行バス用の車両だったらしく、座席がリラックスシートで、可動式の枕、レッグレスト、プライベートモニタ、ゲームのコントローラなどが備え付けられ豪華でした。おかげで、東京から仙台までだと5時間とかなりかかるけれど快適な乗車でした。しかも料金は3900円。安い!旅行で高速バスは初めて利用しましたけれど、快適だし、何より安いです。数時間ぐらい、本読んでればすぐ経つので旅行で高速バスを使うのは全く苦ではないことがわかりました。

・仙台に到着

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 昼に仙台駅に到着。まずは、昼飯を食べるところを探すことに。仙台駅にある「大衆食堂 半田屋」という宮城県が書店の定食屋チェーンの店に入ったのですが、安さに驚きました。塩ラーメンがキャンペーン中で190円ぐらいだったし、自分は広東麺とご飯を食べたけれど、たしか450円ぐらいでした。買う前は、量が少ないのかなと思ったけれど、普通の量で、味もおいしかった。関東にも進出しているらしいですが、東京にはないようです。ザンネン…。

 昼飯を食べた後は、フェリーの乗船時間までまだ結構時間があるので、仙台の街をあるくことに。東北一の繁華街といわれる国分町や、閉まっていたけれど「せんだいメディアテーク」などを見ました。やはり、仙台は東北地方で一番大きい都市だけあって、かなり栄えてますね。

仙台港へ移動

 夕方になると、仙台港を目指して仙石線に乗り中野栄駅で下車。中野栄駅からはバスに乗れば、10分ほどで仙台港に着くけれど、バス代をケチるために徒歩で移動。しかし、歩くと結構距離があった………。「バスで10分」はバスに乗るには勿体ないし、歩くには少し遠い距離だということを、今回の旅行で学びました。

 仙台港に向かって歩いていると、新車を乗せたカーキャリアのトラックが次々に港に向かって走っていくのが見えました。トラックの積んでいる車を見ると全部トヨタ車。そういえば、宮城県にはトヨタの工場があるのでしたね。仙台港に近付いてくると、ナンバープレートもホイールキャップもつけられていない、いろいろな会社の車がたくさん置いてありました。これは、国内に発送するのでしょうか、それとも海外に発送するのでしょうか。新車がたくさん並んでいる光景はなかなか壮観です。他にも、大型トラックやコンテナなどがたくさんあり、ここが東北の貿易拠点であることが感じられました。

・いよいよフェリーに乗船

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 20~30分ぐらい歩いたかもしれません。ようやく仙台港へ到着。目の前には、今夜の宿となるフェリーが見えました。今回利用したのは、名古屋~仙台~苫小牧を航行する太平洋フェリーです。太平洋フェリーには「いしかり」、「きそ」、「きたかみ」の3つの船があって、日によってどの船が来るか変わりますが、今回自分が乗ったのは一番古い「きたかみ」でした。(本当はフェリー・オブ・ザ・イヤーを受賞したという、「いしかり」に乗ってみたかった………)。乗船手続きを済ませていよいよフェリーに乗りこみます。

 フェリーは思っていたよりもずっと大きく、かなりキレイです。このフェリーには客室には2等、B寝台、A寝台、1等、特等、セミスイート、スイート、ロイヤルスイートがあるのですが、自分はどうせ寝る時以外は部屋に帰ってこないのでB寝台にしました。飛行機や新幹線が発達している今の時代、フェリーを使って北海道に行く人なんてそんなに多くないのではと思っていたけれど、どの部屋もほとんど満室(ロイヤルスイートでさえ!)らしく驚きました。ロイヤルスイートは47500円ですが、仙台~苫小牧までそこまでの金を出せるってすごいですね。まず、船内に入って今夜、自分が泊まる部屋を確認することに。自分が泊まったB寝台は、二段ベッドが6台並んでいる部屋です。しかし、ここで一つ問題が、このフェリーのB寝台のベッドにはコンセントがないのです。スマホの充電ができない………。まあ結局、船内に急速充電器やパソコン用のコンセントがあるので何とかなりましたが。

 そのあと、夕食を船内のバイキングで夕食を食べることに。夕食は2000円です。ステーキ、パスタ、ちらし寿司などがあり、味はまあまあおいしかったです。夕食を食べた後は、船内でやっていた映画を見たり、展望通路のソファに座ってくつろいだりしてました。かなり大きな船なので、揺れないだろうと思っていたけれど、この日は海があれていたのか結構、船内は揺れていました。

 0:00ぐらいになったところで、風呂に入ることに。この日は前述のようにかなり船が揺れています。大浴場に入ってみると、並の波のプールよりきついのではないかと思うぐらい、風呂の中が大時化でした。浴槽に入ると水の動きが激しく、体を一点にとどめておくことが難しかったです。見回りに来た警備の人?から「大丈夫?」といわれたりしてなかなかおもしろかったです。風呂から上がると、展望通路で1時間ぐらいスマホを充電してこの日は寝ることにしました。

読んだ本_『海辺のカフカ』

村上春樹さんの『海辺のカフカ』を読みました。

村上春樹さんの作品は何作か読んでいますが、この作品は今まで読んだ中で、最も展開が劇的に進行していく作品であると思います。

村上春樹さんの人気作品である『1Q84』、『ノルウェイの森』、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』などは話が長く、いずれも複数冊に分けられて出版されていますが、『海辺のカフカ』も上下巻に分かれており、合わせると約1000ページ程度になります。読み終えるのに10日間程かかりました。

この作品の主人公は僕(自称:田村カフカ)という少年と、ナカタさんという読み書きに障害を持っている記憶喪失の老人です。

話が進むにつれて、この二人の主人公の視点が交互に入れ替わっていきます。

僕(自称:田村カフカ)は、東京都の野方に住む15歳の中学3年生で、「カラスと呼ばれる少年」という人物の言葉によって、家出をします。家出の先として彼が向かったのは四国の高松市で、そこにある図書館で出会う、大島さん、佐伯さんなどの人物によって「森」という存在と関わっていき物語の核心へと物語は進んでいきます。

一方、もう一人の主人公であり、僕(自称:田村カフカ)と同じく東京都の野方に住んでいるナカタさんが、僕(自称:田村カフカ)とは別の物語を進めていきます。

ナカタさんは猫と会話ができる能力を持っているのですが、ある日「ジョニーウォーカー」という猫殺しの男を殺してしまいます。

その後、ナカタさんは「入り口の石」というものを探すために旅に出ることになり、物語が進んでいくにつれて僕(自称:田村カフカ)のいる高松に近付いていき、終盤ではついに二人の主人公の物語が共通のものに収束していきます。

話が進むにつれて、この二人の主人公の視点が交互に入れ替わっていきます。

物語にスピード感があり、僕(自称:田村カフカ)とナカタさん距離が、物語が進むにつれてどんどん縮まっていくのが感じられドキドキしました。

村上春樹さんの作品に共通することだと思うのですが、実際に存在するいろいろな曲や本が作品の中で多数登場するところが個人的に好きです。

バルザックサマセット・モームスコット・フィッツジェラルドなどの作家は、村上春樹さんの作品をとおして知りました。

この作品は、村上春樹さんの作品を初めて読む方にもおすすめです。

 

 

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

 

 

 

海辺のカフカ (下) (新潮文庫)

海辺のカフカ (下) (新潮文庫)